2011年3月11日に発生した東日本大震災において、既に色々と語られている感はあるのだが、実際に現地でITツールをどのように活用したか、被災した側の立場から役に立ったと思うものを紹介していこうと思う。
ひとえに「ITツール」といっても震災時では本来の目的とは別の使い方になっていたり、緊急時における優先順位の時系列によっては「必要・必要でない」という判断も分かれてくるものである。一つ軸を置く上では、「情報の収集・発信」を中心に見ていくこととする。
震災当日
まず震災後に直ぐ行ったことはiPhone上で「うわ、停電でデータ飛んだ」などと割とのんきな事をつぶやいていた。まだ沿岸の津波など分からない頃である。既に携帯の回線はパンクしていたが、iPhoneアプリの「Viber」で音声通話は問題なくできた。子供が学校に行っており、妻が迎えに行く際もその部分では安心であった。また「Twitter」から情報を得たり発信できたりするので、現在親しくしている方の安否確認も問題がなかった。
Twitterと言えば、リツイート機能で回ってきたのが阪神大震災を経験された方の情報が初期動作には役に立った。内容は「お風呂に水をためてください。また電気の通じる人は、ご飯を炊いてください。」というもの。正直なぜ「お風呂に水」なのかは、停電になり、水道もストップして初めて分かった。トイレが流せなくなるのである。もちろん停電は震災直後からだったので炊飯することはできなかったが、意味も分からず水をためたことは後々ツイートに対して本当に感謝した。
同時にワンセグを観ていたら仙台空港が津波で大変なことになっているというのが分かった。TVの報道に関しては正直酷い映像ばかりで気が滅入ったのは確かだが、それほど今回の震災は大変なものであるとは、やはり映像が与えてくれた。
親しくてもTwitterなどを活用できない友人・知人と連絡をとるためにはどうしたら良いか?また前職では全国飛び回っていたので、他県の方々に自分の安否を知らせるにはどうしたら良いか?と考えるうちにノートパソコンを開いていた。停電でも電池で稼働してくれるノートPCは一家に一台はあった方が良いだろう。無停電電源装置を入れている一般家庭はなくても、一家に一台ノートPC!
ノートPCを開いたのはmixiにアクセスするためである。昔は日記なども書いていたのだが、専ら情報収集か、たまに息抜きのゲームのプラットフォームと化していたmixi。かなり久々書いた日記が生死の安否確認であった。すぐに北海道、東京、果てはイタリアからも書き込みがあり、友人・知人関係への情報発信は成功した。
もちろん今ではfacebookの台頭は目を見張るものがあるが、この時はmixiを選んだ。
そうこうしている内に日が暮れてきたので、電気・ガス・水道の3大ライフラインがストップした今夕飯をどうしようと思い、近くのコンビニに行くが時既に遅し、商品がほとんど無くなっていた。
幸い家にはアロマキャンドルが沢山あったり、食料もなんとかなった。11日当日で一番不安なことはiPhoneの電源が切れることだった。情報が入ってこなくなるのが恐かったのである。Twitterでは色々とデマ情報も出回り、信頼性が低いというような方もいらっしゃったようだが、自分はそんなことはなかった。フォローする人の数・質、そして今回は地域性によって情報の価値は変わってきたのは間違いない。Twitterが役に立たなかったという方は、普段は東京(などの他県)で暮らしている方が多いのではないだろうか?人それぞれ感じ方は違うと思うので、この事について議論するつもりはないが、間違いなくTwitterは役に立った。というより、震災後一週間のサバイバル(というと仙台市内では大げさかもしれないが)を乗り切るのになくてはならないもであった。
震災翌日
翌朝食料等の買出しに行くのだが、停電なので信号も動いておらず、非常にカオスな光景を目にしながらスーパーに向かったら既に長蛇の列。何時間かかるか分からないが、このような災害を想定していなかった我が家としては、やはり食料が命綱なのでとりあえず最後尾に並んだ。後ろには次々と並んでくるものの、前には一向に進まない。そのうち大きなビニール袋に水やカップ麺などを買い込んだ方が前方から歩いてきたので、「◯◯スーパーですか?」と聞くと、どうやらそうではなかった。更に5分くらい歩いた個人八百屋と、そこから更に3分くらい歩いたコンビニで買ってきたとのこと。また、スーパーより全然並んでいないとのこと。すぐさまスーパーを切り替えてそちらに行ったのが正解であった。ひと通り足りないものは見通しがたった。
マンションに戻ると、非常用電源があることが分かり、iPhone、ガラケー、PCを充電させてもらった。
そうこうしているうちにTwitterには「青葉通りの電気復旧」の情報が飛び込む。この朗報が12日の16時。そして暗くなりだした18時頃には中心部に明かりが戻っているのが見えた。遅れること2時間20時前に自宅が復電した。電気があるのがこれほど嬉しく元気になるとは思わなかったが、家族全員バンザイしていた。
電気がくればマンションの貯水槽のポンプが動くので水の心配もなくなった。ガスに関しては仙台市内で最も遅く1ヶ月後になったのだが、人間なんとかなるものである。炊飯器でお湯を沸かして風呂に入るというのを1ヶ月も続けたのだから!
そして13日~は、とにかく生活用品で足りなくなったものを効率的に集めるにはそうしたら良いか?というのをTwitterでリアルタイム情報を入手し、また一週間もするとmixiでのコミュニティが市内各区ごと店の開店情報が掲載されだした。つまり、ITツールを使いこなせるか、もしくは近くにITツールに強い人が居ないと、非常に無駄な動きをしたり、店に並んだはイイのに売り切れで肩を落とすといったことが出始めた。あまり使いたい言葉ではないが、「情報格差」である。
スマートフォンを最低限使いこなすには
おそらく2000年頃騒がれたデジタルディバイド(情報格差)とは今のそれは違ってきている。以前のものは「パソコンが使えるかどうか?」で、今は「ツールを活用できるかどうか?」である。つまりパソコン等は使えるのが当然で、更にその中のツールが使いこなせるかどうかが論点となる。
パソコンを使えない人が、今更使おうを思ってもやはり敷居は高い。しかし、スマートフォンではどうだろうか?今までのガラケーのようにキーが小さく操作しずらい訳でもなく、タッチ操作で直感的に動かすこともできるようになったのではと考えている。自分のことで恐縮だが、ガラケー時代に携帯メールできたものを返す時は非常に短いメッセージだった。Twitterが140文字限定だが、それこそ常に30文字以内くらいで返信していたうような気がする。長めの文章がいる場合は、後でPCからという次第だった。ところがスマートフォンにしてからは、フリック入力に慣れたのが大きいが、余程長いメールでない限りはなるべく早く返信することを心がけるようになった。
何を言いたいかというと、パソコンが使えない人は、「スマートフォンにしてしまえば良いのでは?」ということ。停電になったらライト代わりになるアプリもあるし、地方のラジオから情報得るのにも、ラジオやラジカセより良い音質で聞けるし、何しろスマートフォン同士であればSkypeやViberで音声通話もタダ(一部制限あり)だし、災害時も繋がったという実績もあるし、イイことづくしだからだ。
震災時役に立ったITツール・サービス
さて、最後に独断と偏見でITツールやサービスについてランキングをつけてみた。今後このような災害が来るとはあまり考えたくないが、「備えあれば憂いなし」という諺がある通り、少しでも参考になればと考えている。
- 1位:Twitter
- 2位:mixi
- 3位:gmail
- 4位:携帯メール
- 5位:viver(スマートフォンアプリ)
- 6位:facebook
- 7位:ワンセグ
- 8位:携帯通話
- 9位:固定電話
1位:Twitter
上記した通りスゴイ数のツイート数で、中にはデマもあるが、仲間同士や親、親戚などがフォローしあっていれば安否の確認、現状を把握 する上では、間違いなくNo.1ツールと確信している。また炊き出し情報や店の開店状況 もリアルタイムで拡散されるので行動をとるための判断も速くできるのが特徴。ちょっとのことではTwitterサーバは落ちないはずなので、安心して使える。
2位:mixi
mixiはなんだかんだで、仲間関連の安否確認には役立った。facebook
の台頭はるものの、一部の仲間同士ならこちらが有利だと思います。ちなみに mixiボイスとTwitterとは連携がとれる。
3位:gmail
非常に安定していた。スマートフォンだと非常に使いやすい
が、ガラケーでも最近は大分最適化が進んでいるので、1個アカウントを
とって使い慣れておくのがベスト。
4位:携帯メール
通話ができない方々が連絡をる手段として使われていたと思う。ただしグループメール機能などはあまり知られておらず、基本1対1で のやりとりなので、緊急の場合メールを頂いた方も返信が面倒なはず。通話 ができない中で繋がっていたのは褒められるものの、相手の気持ちや状況が分から ないのであれば本来あまり使うべきものではないと判断。
5位:viber(スマートフォンアプリ)
viber(スマートフォンアプリ)ネットを介した音声通話アプリで、iPhone版、Android版もあり。 この分野はSkype(スカイプ)というアプリケーション(PC・スマートフォンとも) が進んでおり、auのスマートフォンには標準搭載されている。しかし、お互いIDを知らなくてならないこと、またバックグラウンドで起ち上げてくとメモリ 消費が大きいため、ビデオ通話とかを考えなければ、基本viberの方が使い勝手は良いはず。しかもこの状況でも繋がるのは凄く安心だった!音声で声を聞かないと安心できないという方は是非ダウンロード→ちょっとした設定でいけるので、ご使用
推薦。
6位:facebook
知り合いが登録していないと、あまり意味をなさないものの、世界規模で見ると既にインフラ化して安定的になっているので、グループ機能などを使えばいっぺんに情報を知らせることができるということは大きい。ただし、とっかかりが非常に面倒なこと、ある程度ITスキルを求められるのが難。
7位:ワンセグ
iPhoneと二台持ちに今年の1月から復活していたので、情報がない中では今回役に立った。が、マスコミが流す情報は「どれだけ悲惨か」というのを撮すばかりで、病院の屋上でSOSを送っている人たちをただ撮すというような被災者にとっては非常に腹が立つものばかりだったと思う。情報 が何もないという方は多少なりとも安心はできるものの、マスコミが変わらぬ限り自分たちが被災した場合は、あまり意味ないかもしれない。
8位:携帯通話
とにかく繋がらない。特にソフトバンクは壊滅的。
iPhoneの魅力を半減させているのは電波のせいです。SIMロックフリーになりでドコモでiPhoneが使えるなら乗り換えるべきです。 個人的には孫さんに頑張って頂きたいが・・・。
9位:固定電話
固定電話に関しては他は分からないが、ウチは電源ないとダメだった
のでこの順位。黒電話(今もある方は貴重?)は確か電源がいらなかったはず。また、可能なら電池でも稼働するタイプにしておけば 多少安心かもしれない。









